女性エンジニアのキャリア形成と職場の実態

ワーク
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 私は就職活動をしていた時に一番不安に思っていたことは、半導体業界で自分は働き続けられるのかどうかでした。それはほとんど男性社員しかいない職場で女性は働きつづけられるかという心配でした。女性が少ないまたは一人もいない職場で働くことは、いくら大学院で専門的に研究をしていたからといっても、キャリアを積んでいけるかどうか自信はあまりなかったのです。自分がその中で働くイメージがつかない、長期的なキャリア形成が不透明でした。

 この記事ではそういった不安がある学生の方への助けや参考になれば良いと思っています。

仕事において、男性が多いから働きづらいと思ったことはない

 正直に言うと、私の場合は働きづらいと思ったことはほとんどないです。理由は仕事において性差別を受けなかったことが一番に挙げられます。半導体エンジニアの仕事は性に関係がない仕事だと私は思っています。そして職場で女性だからといって過剰に気を使われている感じはしないです(これは主観なので、実はめちゃめちゃ気を使っている男性の同僚がいたらすみません)。こちらも特に気を遣わずに働くことができています。

 半導体エンジニアの仕事は筋肉量が必要な肉体労ではないので、上にも述べたように男女問わない仕事です。なので仕事においても性差別は基本的に生じない(はず)です。それでも試作品の電気測定などをする際に使用する装置が重く、持ち運びが大変な時もあったりしますが、その場合は、台車で運んだり、同僚に手助けをお願いすることもあります。このようなこともありますが、快く手伝ってくれるので大きな問題にはなりません。

 純粋に仕事にフォーカスすると働きづらくはないですが、やはり会社は人間コミュニティの世界、人間関係やその会社の制度や風土で働き易さは格段に変わると思います。現場のリアルをお伝えするという意味でも下にその例を書こうと思います。

リアルな職場環境

 ・男性上司の場合、女性特有(生理痛が重い)の悩みを相談しづらい

私が所属している会社は、生理痛が重く仕事が困難な人のために生理休暇が2、3日間支給される制度があります。有給とは別枠です。しかし人によっては、取得したいけど生理のことを男性上司に相談するのが嫌だという人もいますし、生理痛で仕事を休むことに抵抗がある女性社員もいます。

ちなみに私は幸運なことに生理痛はひどくはなく、眠気の方が強い体質なので生理のために休暇を取ったことはありません。睡魔とは戦ってはいますが。。。

・服装には少し注意が必要

 真夏、エアコンをつけているといえども、オフィスは湿度のせいで暑く、さらに作業着(エンジニアにとっての制服)を着ているため熱く感じる時があります。特に北海道出身なので暑さに弱いということも言えるのですが、そのような時、私はオフィスで作業着を脱いで私服姿で仕事をしています。他部署を交えて会議をする時やお客さんや業者さんと会う時はもちろん暑くても作業着を着ます。

 ある暑い日、事務所でTシャツを着て仕事をしていた日のことです。先輩女性エンジニアの方に男性が体のラインとか見るから、あまりぴったりした服は着ない方がいいとアドバイスをして頂きました。その時、私はまだ30代前半。そしてそのTシャツは胸の開いたものでもない本当に普段着として来ていたものだったので、言われた時ショックを受けました。どんなTシャツだったのかイメージを載せますね。

 それから作業着の下に着る服選びはあまり体のラインが分からないような服を選ぶようにしています。それでも限界はありますけどね。

キャリアについて

 寿退社はとっくの昔に死語となりましたが、半導体業界もそれは同じです。出産、育児を経て復帰する女性エンジニアがほとんどで、さらにキャリアを積んで幹部社員になる方もいます。

 出産に伴い、どうしても一時的にキャリアを中断しなければならないですが、出産、育児休暇は長期休暇の中で唯一前向きな休暇なので、少し楽しむくらいの気持ちで取得するとよいと思います。私は育休中、隙間の時間ができた時に英語の勉強を続けていました。少し時間ができたときに余裕があれば何かを学んだりするはスキルが増えるのでお勧めです。

 あとパートナーや旦那さんとしっかり協力して育児をしている割合が増えてきたように見えます。なので、これから結婚相手を探す際には家事、育児に協力的な男性がキャリア形成においてポイントとなるでしょう。

 キャリア形成については会社の制度や風土に非常に影響されるので、就職活動をする際にはリクルーターにしっかり確認した方がよいです。