週末婚から同居へ。キャリアと家庭を両立するために選んだ道

パーソナルストーリー
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 結婚してから約3年間、週末婚を続けていましたが、今は夫と一緒に暮らして5年目になります。この記事では、私たちがどのようにして同居を選び、後悔のない選択をできたのかを振り返ります。

 結婚後すぐに一緒に住める夫婦ばかりではありませんよね。私たちは結婚してもなお別々の場所で暮らす「週末婚」スタイルを選びました。その理由、そこにあった葛藤、そして一緒に住む決断をした背景を、妊活の話にも触れながら綴っていきます。

遠距離恋愛の延長線にあった、週末婚という選択

私たちは交際中から遠距離恋愛でした。

結婚後は「私が東京に転勤して一緒に暮らす」という計画でしたが、いざ結婚してみると、仕事のやりがいが強く、今の職場を離れる決断ができませんでした。

当時の会社では異動の選択肢もいただいていたのですが、最終的には「残る」ことを選びました。その結果、私は地方に、夫は東京にという生活がスタートし、週末に私が東京へ通う形で3年が経ちました。

東京に住まなかった理由:仕事、生活、そして「人間らしさ」

東京に行かなかったのには、いくつかの理由があります。

まずは仕事。

ドイツでの勤務を終えて日本に戻ってきたばかりだった私は、「東京で働きたい」という気持ちもありました。でもタイミングが合わず、希望の部署には入れませんでした。

ところが、その後異動になった部署での仕事がとても面白く、気づけば仕事に夢中に。結果として、東京で働くという選択肢が、私の中でどんどん小さくなっていきました。

そしてもう一つは、生活面。

東京の家賃の高さ、通勤ラッシュのストレス、物価の違い。

ドイツでの生活は自然が豊かでとても静か。かといって町の中心に行けば必要なものが揃っているし、電車では乗車率100%以上ということがあまりなく、座ってゆったりと移動ができる。

そんな生活に慣れてしまい、さらにこういう生活が好きと自覚してしまった私には東京の生活に適応できる自信は無かった。

「今住んでいる場所(地方)の方が人間らしく生活できる」と感じたのです。これは、東京で頑張っている方に対して失礼かもしれません。でも、私にとっての「暮らしやすさ」は、地方にありました。

夫の転職と、地方移住という決断

私が移動を断ったことで、夫がこちらに来ることになりました。当然ながら転職が必要でしたが、幸いにも無事に新しい仕事を見つけてくれて、今は地元で働いています。

「今の仕事には未練がない」と言ってくれた夫の気持ちに、私はとても救われました。

この決断ができたのは、コロナ禍で移動が制限されていた時期でもあり、「一緒に暮らす」ことの意味を深く考えるタイミングでもありました。

週末婚のリアル:良かったこと、苦しかったこと

【良かった点】

  • 平日は自分のペースで生活できた
  • 家事や食事の支度に追われることがなかった
  • 東京でのショッピングや非日常の楽しみがあった

【苦しかった点】

  • 毎週3時間の移動が体力的に辛かった
  • 夫が激務で、週末も日曜日しか会えないことが多かった
  • 東京の家賃を私も負担していたため、経済的な負担が大きかった
  • コロナ禍では全く会えず、孤独感が強まった

一緒に暮らし始めた今振り返ってみると、週末婚は「自由」と「孤独」の両方がありました。

妊活と現実:一緒に暮らして分かったこと

週末婚を続ける中で、私にはずっと「子どもができるのか」という不安がありました。

結局、週末婚の間は授かることができず、一緒に暮らして本格的に妊活を始めてから、私たち夫婦ともに「子どもができにくい体質」であることが分かりました。

私たちは30代後半。年齢的にも簡単ではなく、妊活は精神的にとても大変な時期でした。

これは、また改めて記事にしたいと思っています。

結び:夫婦のかたちに「正解」はない、後悔の少ない選択を

今、夫と一緒に暮らすようになって5年が経ちました。

振り返ってみても、あのとき自分が選んだ道に後悔はありません。

もしあのとき東京での生活を選んでいたら──

きっと夫の仕事はさらに忙しく、帰れない日も多かったと思います。

妊活に取り組む余裕もなかったかもしれませんし、仮に子どもを授かっていたとしても、私や夫がどこかで無理を重ねていたように思います。

今の私は、やりがいのある仕事を続けることができています。

この場所で、自分の人生を主体的に歩めているという実感があります。

もし東京に行っていたら、「仕事を手放して、夫に合わせた」という気持ちがどこかに残っていたかもしれません。

それがやがて、夫婦関係に影を落としていた可能性もあります。

もちろん、選んでみなければわからない未来もあるでしょう。

それでも、今の私に言えることはひとつ。

私は、この選択をして良かった。

選択をするときには、何かを手放さなければならない場面もあります。

でも、犠牲になっていいものと、犠牲にしてはいけないもの――

その分別をつけることが、後悔のない選択には欠かせないのだと今は思います。

だから、もし今、同じように悩んでいる誰かがいるなら、伝えたいです。

どうか、「後悔の少ない方」を選んでください。

すべての選択肢には、メリットもデメリットもあると思います。

それでも、自分の本心に正直に、納得できる道を歩んでほしいと願っています。