私が就職活動をしていたのはもう10年以上も前の話ですが、多少は参考になるかと思って書いてます。
実は私は、就職活動で1社しかエントリーシートを出しませんでした。それで無事に内定をもらえたので、最短で就活を終えたタイプです。
だから、いまの学生たちが20社以上エントリーシートを書いている話を聞くと、正直びっくりすることもあります。もちろん、それが悪いというわけではありません。でも、「自分が何をしたいのか」「なぜこの職種・この会社なのか」を明確に目的を持っている人は、そんなに数打たなくても内定につながる可能性が高いと思っています。
半導体業界を選んだ理由と、私の原動力
私の場合、この業界で働きたいと思った一番の理由は、「省エネ」や「環境問題」への強い関心でした。
半導体は、エネルギー効率の改善や地球環境への配慮に直結する技術です。私にとって、研究や技術の延長線上に、社会に貢献できる仕事があると感じられたんです。
この「環境のために働きたい」という思いが、私の就活の軸になりました。
面接で言われたこと。そして私が伝えたこと
面接では「専門以外の知識も必要になるよ」と言われました。
確かに、半導体は広い分野とつながっていますし、技術だけで成り立つ仕事ではありません。
でも私はそのとき、はっきりと言いました。
「知らないことはたくさんあるけれど、努力して学んでいきたいと思っています」
完璧な知識よりも、「この人は成長できそうだ」と思ってもらえることが大事なのだと感じました。
エントリーシートや面接で大切なのは“情熱”
実は私、入社後にリクルーターとして学生さんのエントリーシートを何人も見たり、添削したりする機会がありました。
そこで強く感じたのが、「文章の上手さより、情熱があるかどうか」がすごく大きいということです。
たとえ少し文章がぎこちなくても、「この人、本当にこの仕事がしたいんだな」と伝わる内容は印象に残ります。熱意が伝わる文章や、心を動かすような経験が書かれていれば、しっかり読んでもらえるし、評価もされます。
逆に、どれだけ文章が洗練されていても、内容が薄いと心に響かない。
面接でも、それは同じだと思います。
忘れられない、ある学生のエピソード
ある年、就活生の一人が「なぜこの会社を希望したのか」を話してくれました。
その方は学生時代に青年海外協力隊に参加し、電気のない地域で活動していたそうです。
そして「将来は、電気のない地域の人たちに電気を届けたい」という思いで電気メーカーを受け、内定をもらったそうです。
私はその話を聞いて、本当に感動しました。何よりその人の「心からの願い」が伝わってきたんです。
大学時代に何を考えていたかは、大きなポイント
他にも、ゼミでの研究や社会課題に向き合う活動を通じて、「この業界で働きたい」という想いを強くした学生にも会いました。
その人たちに共通していたのは、「自分の経験」と「将来のビジョン」がちゃんとつながっていたこと。
大学時代に何を学び、何を考えてきたのかをエントリーシートや面接で伝えることは、とても大切だと思います。
サークルやバイトの話が悪いわけじゃないけれど
就活でよく見かけるのが、「強み」としてサークル活動やアルバイトの経験を書くケース。
もちろん、その中で得た学びがあるのは素晴らしいことです。
でも正直に言えば、あまり印象に残らないことが多いんです。
それよりも、「大学でどんなことを考えて過ごしてきたのか」「何に熱中してきたのか」を自分の言葉で語っているエントリーシートの方が、ずっと心に残ります。
“盛った話”よりも、ありのままのあなたが大事
面接の場では、ときどき「自分をよく見せよう」と思って話を盛ってしまう人がいます。
ある人は、「読書が趣味」と言ったうえで「1か月に30冊読みます」と答えたそうです(それ不可能じゃないけれど、その他の活動や勉強はいつしているの?って思うよね。)。
でも、そういった話って、案外偽りと見破られてしまうんですよね。
企業の方が見ているのは、「その人がどんな人か」という本質の部分です。
無理に背伸びした姿ではなく、「その人らしさ」が伝わるかどうか。だから私は、正直であること、そして“ありのままの自分”を見せることが一番大切だと思っています。
普段の生活こそ、就活の土台になる
ありのままの自分を見せるためには、「普段どんなことを考えながら生活しているか」がとても大事です。
就活が近づいてから慌てて“ネタ探し”をするのではなく、大学生活の中で自分の関心や学びを深めていくことが、自然とエントリーシートや面接の内容にもつながっていきます。
「就職活動で書くことがない…」と焦るような生活を送ってほしくない。
毎日を丁寧に、自分らしく過ごしていれば、ちゃんと語れる“自分のストーリー”ができていくと思います。
最後に:就活に必要なのは“目的”と“情熱”
就活では、自分が「どんな未来を描いていて、そのために何をしたいのか」という目的意識と、そこに向かう“超絶情熱”が本当に大切です。
文章が少しくらい不器用でも大丈夫。
自分の言葉で、自分の想いをまっすぐに伝えること。
それが、面接官やリクルーターの心に残る一番のポイントだと、私は思います。