現在は半導体エンジニアとして働きながら、採用の季節にはリクルーターとして学生さんのエントリーシート選考や面接フォローにも携わっています。 応募する側と選ぶ側、両方の視点から見えてきた『本当に評価されるポイント』をお伝えします。
私は就職活動で、エントリーシートを1社しか出しませんでした。結果は無事に内定。現在はエンジニアとして働きながら、リクルーターとして多くの学生さんの選考にも携わってきました。
「1社入魂で決める人」と「数打っても響かない人」の決定的な違いについて、実体験と採用側の視点からお話しします。
実は私は、就職活動で1社しかエントリーシートを出しませんでした。それで無事に内定をもらえたので、最短で就活を終えたタイプです。
だから、いまの学生たちが20社以上エントリーシートを書いている話を聞くと、正直びっくりすることもあります。もちろん、それが悪いというわけではありません。でも、「自分が何をしたいのか」「なぜこの職種・この会社なのか」を明確に目的を持っている人は、そんなに数打たなくても内定につながる可能性が高いと思っています。
就活の軸は「社会への貢献」。私が半導体業界を選んだ明確な理由
私の場合、この業界で働きたいと思った一番の理由は、「省エネ」や「環境問題」への強い関心でした。
半導体は、エネルギー効率の改善や地球環境への配慮に直結する技術です。私にとって、研究や技術の延長線上に、社会に貢献できる仕事があると感じられたんです。
この「環境のために働きたい」という思いが、私の就活の軸になりました。
完璧な知識より「成長の可能性」。面接で面接官が本当に見ているもの
面接では「専門以外の知識も必要になるよ」と言われました。
確かに、半導体は広い分野とつながっていますし、技術だけで成り立つ仕事ではありません。
でも私はそのとき、はっきりと言いました。
「知らないことはたくさんあるけれど、努力して学んでいきたいと思っています」
完璧な知識よりも、「この人は成長できそうだ」と思ってもらえることが大事なのだと感じました。
エントリーシートや面接で大切なのは“情熱”
実は私、入社後にリクルーターとして学生さんのエントリーシートを何人も見たり、添削したりする機会がありました。
そこで強く感じたのが、「文章の上手さより、情熱があるかどうか」がすごく大きいということです。
たとえ少し文章がぎこちなくても、「この人、本当にこの仕事がしたいんだな」と伝わる内容は印象に残ります。熱意が伝わる文章や、心を動かすような経験が書かれていれば、しっかり読んでもらえるし、評価もされます。
逆に、どれだけ文章が洗練されていても、内容が薄いと心に響かない。
面接でも、それは同じだと思います。
忘れられない、ある学生のエピソード
ある年、就活生の一人が「なぜこの会社を希望したのか」を話してくれました。
その方は学生時代に青年海外協力隊に参加し、電気のない地域で活動していたそうです。
そして「将来は、電気のない地域の人たちに電気を届けたい」という思いで電気メーカーを受け、内定をもらったそうです。
私はその話を聞いて、本当に感動しました。何よりその人の「心からの願い」が伝わってきたんです。
大学時代に何を考えていたかは、大きなポイント
他にも、ゼミでの研究や社会課題に向き合う活動を通じて、「この業界で働きたい」という想いを強くした学生にも会いました。
その人たちに共通していたのは、「自分の経験」と「将来のビジョン」がちゃんとつながっていたこと。
大学時代に何を学び、何を考えてきたのかをエントリーシートや面接で伝えることは、とても大切だと思います。
なぜサークル・バイトのガクチカ(学生時代に頑張ったこと)は印象に残らないのか?
就活でよく見かけるのが、「強み」としてサークル活動やアルバイトの経験を書くケース。
もちろん、その中で得た学びがあるのは素晴らしいことです。
でも正直に言えば、あまり印象に残らないことが多いんです。
それよりも、「大学でどんなことを考えて過ごしてきたのか」「何に熱中してきたのか」を自分の言葉で語っているエントリーシートの方が、ずっと心に残ります。
リクルーターの視点:なぜ「バイトリーダー」の話は響かないのか?
時折、学生さんが「バイトリーダーとして売上を伸ばした」といった話を書いてくれます。しかし、リクルーターとして何百枚ものESを見てきた経験から言えば、私たちが知りたいのは「結果」そのものではありません。
本当に見ているのは、「なぜそれをやろうと思ったのか(動機)」と「困難にぶつかった時にどう考え、どう行動したか(思考プロセス)」です。
半導体エンジニアの仕事は、正解のない課題に直面する毎日です。だからこそ、サークルの派手なエピソードよりも、「研究で泥臭く試行錯誤した話」や「地味だけれど自分なりにこだわり抜いた習慣」の方が、エンジニアとしての適性を感じさせ、私たちの心に強く残ります。
面接で「話を盛る」のは逆効果。リクルーターが見抜く「その人の本質」
面接の場では、ときどき「自分をよく見せよう」と思って話を盛ってしまう人がいます。
ある人は、「読書が趣味」と言ったうえで「1か月に30冊読みます」と答えたそうです(それ不可能じゃないけれど、その他の活動や勉強はいつしているの?って思うよね。)。
でも、そういった話って、案外偽りと見破られてしまうんですよね。
企業の方が見ているのは、「その人がどんな人か」という本質の部分です。
無理に背伸びした姿ではなく、「その人らしさ」が伝わるかどうか。だから私は、正直であること、そして“ありのままの自分”を見せることが一番大切だと思っています。
リクルーターの視点:見破られる「盛った話」と、評価される「誠実さ」
面接官は、その道のプロです。話を盛って自分を大きく見せようとしても、深掘りした質問を一つ二つ重ねれば、すぐにメッキは剥がれてしまいます。
特に技術職の選考では、「知らないことを素直に認められるか」も重要な評価対象です。分からないことを曖昧にごまかす人は、仕事でミスをした時も隠してしまうリスクがあるからです。
「今は分かりませんが、〇〇という観点から勉強していきたいです」と堂々と答えられる誠実さこそ、リクルーターが「この人と一緒に働きたい」と思う最大のポイントです。
普段の生活こそ、就活の土台になる
ありのままの自分を見せるためには、「普段どんなことを考えながら生活しているか」がとても大事です。
就活が近づいてから慌てて“ネタ探し”をするのではなく、大学生活の中で自分の関心や学びを深めていくことが、自然とエントリーシートや面接の内容にもつながっていきます。
「就職活動で書くことがない…」と焦るような生活を送ってほしくない。
毎日を丁寧に、自分らしく過ごしていれば、ちゃんと語れる“自分のストーリー”ができていくと思います。
結論:不器用な文章でも大丈夫。内定を勝ち取るのは「超絶情熱」がある人
就活では、自分が「どんな未来を描いていて、そのために何をしたいのか」という目的意識と、そこに向かう“超絶情熱”が本当に大切です。
文章が少しくらい不器用でも大丈夫。
自分の言葉で、自分の想いをまっすぐに伝えること。
それが、面接官やリクルーターの心に残る一番のポイントだと、私は思います。
おまけ:リクルーターが見ている3つのポイント
- 文章が綺麗かよりも、その人の「心からの願い」が言葉に乗っているか
- 自分の経験(過去)と、会社でやりたいこと(未来)が一本の線で繋がっているか
- 分からないことを「分からない」と言える誠実さと、学ぶ意欲があるか


